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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻3号

1990年03月発行

症例報告

オキサトミドによる肝機能障害を伴う水疱性扁平苔癬型薬疹

著者: 増田智栄子1 池澤善郎2

所属機関: 1社会保険相模野病院皮膚科 2横浜市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.221 - P.225

文献概要

 79歳,男性.慢性湿疹のため抗アレルギー剤であるオキサトミド(セルテクト®)を60mg/日内服していたところ,約1カ月後に熱発し,痒みが激化した.その後,四肢にほぼ対称性に,多形紅斑様ないしは扁平苔癬様皮疹が出現し,炎症性変化の強い部分には水疱を伴っていた.同時に肝機能障害も併発した.病理組織学的には,リンパ球の強い表皮向性浸潤および角化細胞の空胞変性や好酸性壊死を伴う表皮基底細胞層の液状変性が著明にみられ,水疱を形成していた.貼布試験,LSTはともに陰性,内服テストで皮疹が誘発され肝機能障害もみられた.以上,自験例は肝機能障害を伴った水疱性扁平苔癬型オキサトミド疹と診断した.オキサトミドによる扁平苔癬型薬疹の報告は今のところ他にない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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