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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

症例報告

皮膚サルコイド—皮下型と局面型の混在をみた1例

著者: 吉池久美子1 植木理恵1 矢口均1 山田裕道1 高森建二1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.227 - P.230

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 52歳,男.近医にて両上肢の皮下結節を皮膚サルコイド(皮下型)と診断され経過観察されていたところ,初発より3年後頃より皮下結節の増加と共に腰背部に帯紫紅色,表面萎縮性の浸潤性小局面が多発してきたため当科入院となった.病理組織学的には皮下結節,小局面ともに,一部にラングハンス巨細胞を混える類上皮細胞肉芽腫を認め,リゾチーム染色では類上皮細胞に一致して陽性所見を示した.以上の所見より皮膚サルコイド(皮下型と局面型の混在)と診断した.検査所見では血中アンジオテンシン変換酵素とリゾチーム値の軽度上昇,両眼ブドウ膜炎の併発,および胸部CTでの肺門リンパ節腫脹が認められた.皮膚サルコイドの2型以上の混在例は稀であり,特に本症のごとく皮下型と局面型の混在例は我々が調べ得た限りでは本邦4例目である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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