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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻3号

1990年03月発行

症例報告

原発巣が完全消褪した悪性黒色腫の1例

著者: 高崎修旨1 藤原作平1 松永悦治1 高安進1 本多朋仁1 倉田荘太郎1 寺師浩人1 柴田興彦2

所属機関: 1大分医科大学皮膚科学教室 2大分医科大学第2外科学教室

ページ範囲:P.245 - P.247

文献概要

 62歳,女性.リンパ節転移で発見され,原発巣が消褪したと考えられる悪性黒色腫の1例を報告した.左鼠径部腫瘤摘出後悪性黒色腫のリンパ節転移と診断されたが,原発巣と考えられる左足第一趾基部には黒褐色斑のみが存在した.同部の組織学的所見では,真皮上層に多数のメラノファージおよび小円形細胞浸潤が見られるのみで,メラノーマ細胞は認められなかった.全身検索の結果,他に原発巣と考えられる病変は見出せず,左足の病変を消褪した原発巣と考えた.左浅鼠径リンパ節郭清ならびにこれと左足第一趾基部を連絡するリンパ管を,皮膚を含めて切除したが,9カ月後その上流のリンパ節に転移が発見され,電子線照射,温熱療法,拡大リンパ節郭清術を施行した.1年4カ月後,放射線腸炎と瘻孔形式のため死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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