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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻4号

1990年04月発行

文献概要

症例報告

von Recklinghausen病に伴つた後腹膜神経鞘腫の1例

著者: 四釜俊夫1 佐藤康満1 当真秀夫1 堀内隆2 石田博3

所属機関: 1鶴岡協立病院外科 2鶴岡協立病院病理 3石田内科医院

ページ範囲:P.299 - P.302

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 症例は29歳,女性.生下時より躯幹を中心に散在性の色素斑を認める.出産直後の1984年10月より皮膚小結節が出現し,生検の結果,神経線維腫でありvonRecklinghausen病と診断される.某医にて右上腹部腫瘤の指摘を受け,1988年5月17日当科入院となる.精査の結果後腹膜腫瘍と診断され1988年5月26日摘出術を施行した.組織学的には後腹膜神経鞘腫であった.今回我々が渉猟しえたかぎりでは,本邦報告例は18例にすぎず,比較的稀な疾患と思われた.しかし,その予後は一般に極めて不良であり早期発見・早期切除が重要と思われた.一方,本疾患は妊娠・分娩を契機として増悪することが多く,本症例においても同様であった.従って,本疾患を有する女性においては,特に妊娠・分娩に注意を要するものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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