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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻4号

1990年04月発行

症例報告

薬剤性急性痘瘡状苔癬状粃糠疹の1例

著者: 田中勝12 渡辺匡子1 山崎雄一郎1 籏野倫1

所属機関: 1国立東京第二病院皮膚科 2慶應義塾大学病院皮膚科

ページ範囲:P.307 - P.310

文献概要

 漢方薬である加味逍遙散によると考えられた68歳男性の急性痘瘡状苔癬状粃糠疹の1例を報告した.通常の急性痘瘡状苔癬状粃糠疹よりも高齢の発症であり,慢性苔癬状粃糠疹様の皮疹は混ぜず,組織学的に不全角化を欠いているものの,その他の特徴は臨床,組織ともによく一致していた.その発症病理において免疫学的な機序による表皮細胞の変性壊死過程の関与が示唆された.同様の症例は,海外において,経口避妊薬で生じた1例がみられるのみである.漢方薬による薬疹の報告例は少ないが,今後その使用頻度が増すにつれて,増加してくるものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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