icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻4号

1990年04月発行

文献概要

症例報告

結節性皮膚ループスムチン症の1例

著者: 佐藤千鶴1 田辺恵美子1 藤田優1

所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.315 - P.318

文献購入ページに移動
 35歳,女性の結節性皮膚ループスムチン症の1例を報告した.左上腕伸側に15×17cm,右上腕伸側,背部にも同様の扁平に隆起した硬結性局面を認め,背部の皮疹の表面にはDLE様変化を伴う.組織学的には,真皮上層から皮下脂肪織に著明なムチン沈着を認め,螢光抗体直接法では背部,上腕ともに,表皮真皮境界部にIgG,Mの沈着を認めた.抗核抗体,抗DNA抗体,抗SS-A抗体陽性,口唇小唾液腺生検陽性.臨床症状からは深在性エリテマトーデスが疑われたが,組織学的所見より結節性皮膚ループスムチン症と診断した.深在性エリテマトーデスはムチン沈着を伴うものが少なからず報告されており,結節性皮膚ループスムチン症と臨床的,組織学的に共通点が多いため,両者の本邦報告例を集計し,その異同につき文献的に考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?