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症例報告
新生児にみられたMicrosporum canis感染症の1例
著者: 高橋泰英1 中嶋弘1
所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.329 - P.333
文献購入ページに移動 新生児にみられたMicrosporum canis(M.canis)感染症の1例を報告した.症例:生後21日,男児.満期正常分娩.両親,兄弟に同様の皮疹があるという.また同居人の1人は本例の初診3週間前に当科を受診し,M.canisによる体部白癬と診断されていた.生後14日目頃より,顔面,頸部に紅色皮疹が出現し徐々に拡大.初診時,顔面,頸部に比較的小型の類円形紅斑が多数存在し,中心には鱗屑あるいは痂皮が付着し,辺縁には小丘疹を伴っていた.また前頭部には拇指頭大,類円形の鱗屑を伴う脱毛斑が数個認められた.鱗屑および毛髪のKOH鏡検で,多数の菌糸および胞子を認め,培養でM.canisを得た.ビフォナゾールクリーム単純塗布のみにて,4週間で治癒した.6匹の飼猫に皮疹はなかったが,ヘアーブラッシング法でM.canisが得られ,飼猫が感染源と考えられた.本邦,ならびに海外における新生児の白癬症例を集計し,簡単な考察を加えた.
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