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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

原著

HTLV-Iと菌状息肉症との関連について—自験12例の検討

著者: 黒木康雅1 田尻明彦1 川名修徳1 楢原進一郎1 阪口英1 小橋正洋1 緒方克己1 出盛允啓1 井上勝平1

所属機関: 1宮崎医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.361 - P.366

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 臨床・病理学的立場から,古典型の菌状息肉症と診断し,当科で加療した12例について検討した.12例中,抗HTLV-I抗体陰性群と陽性群は各々6例ずつであり,平均年齢は陽性群が陰性群に比してかなり高齢であった.皮疹型は,陰性群が全例ポイキロデルマの性状が混在していたのに対して,陽性群は早期から,浸潤性紅斑や腫瘤を形成する傾向があった.白血化や高Ca血症の合併は陽性群のみにみられ,血清LDH値も陽性群でより高い傾向が得られ,予後も陰性群が全例生存しているのに対して,陽性群はすべて死亡しており,両群間に明らかな相違が認められた.以上の症例解析から,当科では,浸潤性紅斑や腫瘤を形成したATLの皮膚リンパ腫型と思われる症例を,抗HTLV-I抗体陽性の菌状息肉症と診断,治療し,論文としても発表してきたが,両群は,治療方針の決定や予後の面からみても,区別して対処すべきであると,現在は考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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