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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻5号

1990年05月発行

症例報告

間質性肺炎治療中,縦隔気腫,皮下気腫を合併した皮膚筋炎の2例

著者: 寺西好治1 坂元孝栄1 水谷智子1 中村保夫1 清水正之1 勝田浩司2

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学教室 2三重大学医学部病理学第1教室

ページ範囲:P.413 - P.418

文献概要

 間質性肺炎の治療中,縦隔気腫を合併した皮膚筋炎2例を報告した.症例1.49歳男.初診2カ月前より手背・指尖部に紅斑と皮膚潰瘍が出現し,1カ月前より筋力低下が出現した.ステロイド剤の投与で筋症状のみ軽快したが,初診時みられた間質性肺炎が徐々に進行すると共に縦隔気腫が出現した.免疫抑制剤,pulse therapyを行ったが,呼吸不全にて死亡した.症例2.39歳女.初診40日前より顔面・手背の浮腫性紅斑と筋力低下が出現した.ステロイド剤の投与で皮膚・筋症状は軽快したが,治療開始2カ月後,間質性肺炎が急速に進展し,縦隔気腫を併発した.ステロイド剤大量投与を行ったが,呼吸不全にて死亡した.剖検所見では,肺は全葉で高度に線維化し,特発性間質性肺炎の像に一致した.縦隔気腫を伴った皮膚筋炎の報告は,自験例を含め本邦で10例みられる.それらのまとめと皮膚筋炎の肺病変,ならびに縦隔気腫の原因について若干の文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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