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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

治療

全身性強皮症(PSS)患者に対するCyclosporin Aの治療経験—皮膚硬化を中心に

著者: 上田清隆1 園田早苗1 硲野哲1 久米昭廣1 西田健樹1 船井龍彦1 吉川邦彦1

所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.441 - P.445

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 26歳,女性,全身性強皮症(PSS)患者に,cyclosporin Aの単独投与による治療を試み,臨床症状の著明な改善を認めた.皮膚硬化の改善の効果判定には,口唇幅,舌小帯の長さ,第2指指尖とナックルの最小値,第2指のMP,PIP,DIP関節の屈曲角などの測定を用い,ある程度定量的に確認した.本症例の皮膚硬化改善の機序は不明である.しかし,真皮ヒアルロン酸の減少が見られたため,これが硬性浮腫の軽快の一因であると思われる.また,微熱の消失や心筋シンチグラフィ,シルマーテストの改善のように,cyclosporin Aの病態そのものに対する作用によると思われる効果も認めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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