文献詳細
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
I 最近話題の疾患とその病態
文献概要
突発性発疹(ES)は小児のポピュラーな疾患で最近までその原因が判明していなかった.1988年になりヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)の感染とESの発病とが密接に関連することが判明した.HHV−6は高率にESの患者の急性期血液から分離され,また,抗体も発症後に有意に上昇した.またHHV−6はT細胞中のCD4陽性細胞で特異的に増殖するが,単核球では,感染はするが増殖はしない.単球系細胞では潜伏感染する可能性がある.一方,HHV−6は初感染後に潜伏感染し,体内に滞るが免疫低下の際に(AIDS,臓器移植時)再活性化することも判明した.今後再活性化との密接な関係が注目される.
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