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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻6号

1990年05月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990

I 最近話題の疾患とその病態

皮膚疾患におけるadhesion moleculeの動態

著者: 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.493 - P.498

文献概要

 種々の炎症性皮膚疾患においてしばしば表皮とリンパ球の接着を認める.この接着には,リンパ球上のlymphocyte function-associatedantigen1(LFA−1)と,表皮ケラチノサイト(KC)に発現されているintercellular adhesion mole-cule1(ICAM−1)とのreceptor-ligand typeのadhesionが重要であることが明らかとなった.ICAM−1は正常ではKCに発現されていないが,IFN—γ,TNFαなどのサイトカインにより発現が誘導される.リンパ球より産生されたサイトカインによりKCに発現されたICAM−1は,リンパ球などの表皮内浸潤において,重要な役割をしていると考えられる.固定薬疹の病変部表皮には,ICAM−1発現をdown-modulateできない異常KCが存在するため,同一部位に皮疹の再燃を繰り返すと考えられる.このようなLFA−1/ICAM-1interactionの制御は,これら炎症性皮膚疾患の治療の新しいアプローチとなるかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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