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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻6号

1990年05月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990 III 治療のトピックス

表皮水疱症の治療

著者: 橋本功1 三橋善比古1 高橋正明1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.601 - P.605

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 表皮水疱症の治療に関する最近のトピックスとして,次のものが注目される.全身療法:ビタミンE大量療法は劣性ないし優性栄養障害型に奏効するようであり,現在厚生省研究班で検討中である.軽症汎発性萎縮型では経口避妊薬の効果が報告された.pipamperoneはDowling-Meara型に,cianidanolは劣性栄養障害型に,isotretinoinはWeber-Cockayne型と劣性栄養障害型に,それぞれ効果が報告されたが副作用も認められている.局所療法:Foipan外用は数施設で試みられ,優性並びに劣性栄養障害型に効果を示すようであり,現在厚生省研究班で検討中である.自家植皮や創傷保護剤は本症の難治性びらんや潰瘍に有効であり,特に患者本人のケラチノサイトを培養し,表皮シートとして植皮に用いた報告が注目される.本症に合併する食道狭窄に対しては,バルーンカテーテルなどによる保存的療法が奏効している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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