icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻7号

1990年06月発行

文献概要

症例報告

プラスミノーゲン分子異常症を合併したうっ滞性下腿潰瘍

著者: 田中美佐子1 橋本久美子1 八丁目直寛1 大熊恒郎2 森和夫3

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室 2東北大学医学部第2外科 3東北大学医学部第3内科

ページ範囲:P.695 - P.698

文献購入ページに移動
 プラスミノーゲン分子異常症は日本人に比較的多い遺伝性の線溶因子異常症であり,静脈血栓症との関連が指摘されている.症例は60歳の女性で,約6年前から左下腿に潰瘍があり,植皮術や外用剤治療を受けたが治癒しなかった.静脈造影で左下腿の深部静脈血栓を,凝固線溶系の検査で患者とその娘にプラスミノーゲン分子異常症を認めた.潰瘍は1カ月間の下肢挙上の徹底によって,治癒した.自験例のように外用剤や植皮術に反応しにくい下腿の潰瘍をみた時にはうっ滞性潰瘍を考え,血管造影や凝固線溶系の検査を行うことが必要である.また,その治療法としての下肢挙上は基本的で重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?