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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻7号

1990年06月発行

症例報告

原発性胆汁性肝硬変(PBC)に合併したサルコイドーシスの1例

著者: 佐川曜子1 塩原哲夫1 長島正治1 石山業弘2 伊藤正高2

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部第三内科教室

ページ範囲:P.699 - P.703

文献概要

 原発性胆汁性肝硬変(PBC)にサルコイドーシスを合併した稀な1例を経験したので報告した.症例58歳女性.肝機能障害,抗ミトコンドリア抗体陽性,肝生検にて胆管炎を認め昭和58年3月,PBCと診断された.昭和63年3月,両膝蓋に半米粒大の軽度浸潤のある紅斑性病変が多発.皮膚生検の結果,真皮全層に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.ツ反(—),DNCB感作不成立,ACE上昇,胸部X線で両側肺野に小粒状陰影,眼科的には両側にぶどう膜炎を認めサルコイドーシスの合併と考えられた.両疾患とも種々の免疫異常を伴い,類上皮細胞肉芽腫の形成を特徴とするが,合併例の報告は非常に稀である.しかし自験例と両疾患を比較検討した場合,両疾患が極めて類似した疾患である可能性を考えさせた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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