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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻8号

1990年07月発行

症例報告

Angiotrooic B Cell Lymphomaの1例—いわゆるNeoplastic Angioendotheliosis

著者: 高橋慎一13 稲本伸子1 中村絹代1 黒河輝久2 秋山真志3

所属機関: 1北里研究所病院皮膚科 2北里研究所病院外科 3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.821 - P.825

文献概要

 94歳女,両側大腿に初発し,顔面を除く全身に急速に拡大する有痛性の紫紅色板状硬結を認め,38℃台の発熱,全身衰弱にて初診より約1カ月で死亡した.初診時皮膚病理組織像で真皮上曽から皮下脂肪織にかけて,中小血管内に核小体が明瞭で不正形の核を有する比較的大型の異型細胞とクロマチンに富む小型の細胞が増殖し,腫瘍細胞による塞栓形成も認められ,neoplastic angioendotheliosisと診断した.剖検にて皮膚の他,胸膜,空腸,脾門部の中小血管内に同様の腫瘍細胞の増殖を認めた.電顕所見では,腫瘍細胞は幼若な細胞で特定の分化傾向は認められなかった.PAP法にて腫瘍細胞はpan B抗原陽性,免疫グロブリンはIgMのみ陽性,第Ⅷ因子関連抗原,UEA—Ⅰは陰性より,B細胞リンパ腫の一型と考えられ,これまでの報告と合わせ,angiotropic B cell lymphomaと呼称し,かつ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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