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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻9号

1990年08月発行

文献概要

原著

Intravascular Papillary Endothelial Hyperplasia—免疫組織学的および電顕的検索

著者: 岩谷麻子1 三橋善比古1 今田吏津子1 高橋正明1 橋本功1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.867 - P.870

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 29歳,女性の右大腿にみられたintravascular papillary endothelial hyper-plasia(IPEH)の1例を報告した.自験例のIPEHはcavernous hemangiomaに併発したもので,いわゆるmixed formと考えられた.免疫組織学的および電顕的検索の結果,増殖している乳頭状構造物のうち,内腔側を被う細胞は血管内皮細胞で,実質細胞は線維芽細胞および組織球と考えられた.また電顕所見より,内皮細胞は乳頭状構造物の内腔側を被うが,常に1層であり,内皮細胞単独の腫瘍性増殖はみられないことを確認した.これらのことから本症は,内皮細胞そのものの増殖性疾患である悪性血管内皮細胞腫とは本質的に異なるものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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