icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻9号

1990年08月発行

文献概要

症例報告

丘疹・結節状ムチン沈着(Gold)を伴った全身性エリテマトーデス

著者: 谷昌寛1 村田洋三1

所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.887 - P.890

文献購入ページに移動
 39歳,男性.全身性エリテマトーデス(SLE)の経過中にSLE症状の増悪とともに顔面・胸部・上背部に丘疹および結節が生じてきた.丘疹および結節の表面皮膚は常色ないし淡紫紅色を呈し,病理組織学的には真皮にピアルロン酸を主成分とする大量のムチンの沈着を認めた.蛍光抗体直接法による検索にて,basement mem-brane zoneに一致して免疫グロブリンおよび補体成分の帯状の沈着を認めるとともに,真皮のムチン沈着部位に一致して上記免疫グロブリンおよび補体成分の膠原線維間への沈着を認めた.ステロイド剤の増量によりこれらのムチン沈着はすみやかに消退した.自験例のムチン沈着をSLEの皮膚症状の一つと考えた.ムチン沈着部位の膠原線維間に免疫グロブリンおよび補体成分の沈着を認めたことは本症におけるムチン沈着機序を解明する上で興味深いと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら