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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻9号

1990年08月発行

症例報告

皮膚症状の増悪とともに流産を繰返した全身性エリテマトーデスの1例—循環抗凝固因子,抗カルジオリピン抗体陽性の症例

著者: 森田美佳子1 刀祢真理1 片山一朗2 西岡清2 西山茂夫1 船渡忠男3

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室 2東京医科歯科大学皮膚科学教室 3北里大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.891 - P.894

文献概要

 27歳,女.手掌の圧痛を伴う紅斑を主訴として当科受診.二度の流産歴があり,流産の約1カ月前より紅斑,脱毛,関節痛出現するが,流産後約1週間で臨床症状は消退.病理組織で真皮上層に多数の微小血栓を認めた.関節炎,白血球減少,梅毒血清反応生物学的偽陽性(BFP),抗核抗体陽性より全身性エリテマトーデス(SLE)と診断.本症例は,BFP,lupus anticoagulant陽性,抗カルジオリピン抗体陽性であり,二度の流産との関係が考えられた.さらに,当科におけるSLE患者中のBFPと妊娠歴および皮膚症状についてまとめた結果,BFPを有するSLEの症例では,自然流産が対照に比し多く,皮膚症状に関しては蝶型紅斑および血栓が高率に認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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