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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科44巻9号

1990年08月発行

文献概要

症例報告

Schamberg病型薬疹の1例—免疫組織学的検討

著者: 竹重量子1 伊藤雅章1 佐藤良夫1

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.913 - P.917

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 69歳女性.降圧剤によりSchamberg病様皮疹を広範囲に生じた症例を報告した.下肢,躯幹,上肢に色素沈着を伴う紫斑が長期間持続した.病理組織学的に,真皮乳頭層および上層に赤血球の漏出と血管周囲のリンパ球浸潤が認められた.5年前より服用しているセルパシル・アプレゾリン®(レセルピンと塩酸ヒドララジンの合剤)を中止することで皮疹が軽快したが,ニフェジピンの投与により皮疹が再燃した.すべての降圧剤を中止したところ皮疹の完全な消退をみた.貼布試験,内服試験はいずれも陰性であった.蛍光抗体直接法では,免疫グロブリンや補体の沈着を認めなかった.浸潤細胞の免疫組織化学法によるリンパ球マーカーの検討では,通常のSchamberg病とほぼ同様の結果が得られた.本症例は薬剤により惹起された慢性色素性紫斑と言えるが,その病態には細胞性免疫の何らかの関与があるものと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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