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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科45巻10号

1991年09月発行

雑誌目次

カラーアトラス

Angiolymphoid Hyperplasia with Eosinophilia

著者: 出光俊郎 ,   原正啓

ページ範囲:P.730 - P.731

 患者 33歳,女子事務員
 初診 平成2年7月16日
 家族歴 姪3人にアトピー性皮膚炎がある.
 既往歴 花粉症で治療を受けたことがある.
 現病歴 約5年前から右側頭部に結節状皮疹が出現し,増大傾向を有するため当科を受診した.時折掻痒感があり,4年前に掻破により皮疹から出血をみた.同部に外傷や虫刺されの既往はない.
 現症 右側頭部のほぼ中央に14×20mm大の類円形で境界明瞭な隆起性紅褐色局面が認められる.その表面は凹凸不整で,一部は直径5mmの乳頭状結節を呈している(図1).弾性硬に触れ,圧痛はない.下床との癒着もない.

原著

急性骨髄単球性白血病に伴う特異疹—臨床および組織学的特徴について

著者: 木花いづみ ,   新関寛徳 ,   生冨公明 ,   原田契一

ページ範囲:P.733 - P.738

 特異疹を伴った急性骨髄単球性白血病の2例を報告した.症例1は59歳男性で,胸腹部の淡紅色小結節および四肢伸側の紫斑が初発症状で白血病診断のきっかけとなった.症例2は58歳女性で,白血病の治療中,点滴部を中心に浸潤性紅斑が出現した.2症例とも皮疹と白血病の病勢とは必ずしも相関せず,特異疹の診断をする際,エステラーゼ染色の結果が参考となった.本症の臨床,組織学的特徴についても文献的考察を加えた.

汎発型Angioma Serpiginosum:Tricho-Rhino-Phalangeal Syndrome Typelに併発した1例

著者: 川村邦子 ,   杉山貞夫 ,   高橋誠 ,   富田英

ページ範囲:P.739 - P.744

 20歳男性.Tricho-rhino-phalangeal syndrome type Iに併発した汎発型angioma serpiginosumの1例を報告した.顔面,掌蹠,下腿を除くほぼ全身に,軽度の瀰漫性紅斑を伴う微細な暗赤色点状皮疹が融合することなく密集していた.組織学的に主たる病変は,真皮乳頭下層の血管の拡張と増生であった.脈管の病態生理学的側面を第Ⅷ因子関連抗原,UEA-Iレクチン,alkaline phosphatase(ALP)染色,電顕を用いて観察した.病変血管はUEA-Iレクチン結合陽性を示し,ALP染色では拡張の著しい血管に酵素活性の低下が認められた.電顕的には,拡張した血管にpericyteの多層化を認めた.これらは血管拡張性疾患における血管の代謝状態,分化度を知る上で有用であると思われた.

Lichen Purpuricus—慢性色素性紫斑との免疫組織化学的比較

著者: 貝瀬明 ,   手塚匡哉 ,   藤田繁 ,   田中正明 ,   伊藤雅章 ,   佐藤良夫

ページ範囲:P.745 - P.749

 Lichen purpuricusの2例を報告し,免疫組織化学的に慢性色素性紫斑と比較した.症例1は17歳,男.右上腕内側に,紫紅色小丘疹が集簇し,周囲に不規則な褐色斑を伴う.症例2は35歳,女.右下腿後面に表皮よりやや隆起する不整形の褐色斑が存在し,点状の紫斑を伴う.自験2例と,Schamberg病,Gougerot-Blum病各2例を,リンパ球マーカーなどについて,免疫組織化学的に比較し,それぞれほぼ同様の所見を得た.Lichen purpuricusは,慢性色素性紫斑の範疇に含まれる疾患であることが示唆された.

今月の症例

新生児エリテマトーデス—母体へのステロイド投与により房室ブロックの消失を見た1例

著者: 石丸咲恵 ,   伊崎誠一 ,   北村啓次郎 ,   森田豊

ページ範囲:P.751 - P.755

 患者は3カ月,女児.生後1カ月より顔面・耳後部に環状の紅斑が出現.組織像にて基底層の液状変性および真皮内の小円形細胞の浸潤を認めた.また,免疫組織像にて基底膜にC3,IgMの線状沈着が認められた.抗SS-A抗体・抗SS-B抗体共に陽性.紅斑は,生後6カ月で自然に消失した.母親にSjögren症候群の既往があり,さらにSweet症候群を合併したため,妊娠中に母体に対しステロイド剤を投与していたところ,胎児期に認められた房室ブロックが出生時には消失していた.我々は,抗SS-A抗体により惹起された房室ブロックが,ステロイド剤により抗SS-A抗体価の低下を見,刺激伝導系に不可逆的変化が現われる前に発症が阻止されたと推論した.自験例は,今後のSjögren症候群の母親の妊娠に際し,胎児の先天性疾患に対する対策の一つとして,貴重な示唆を与えるものであると考える.

Melanonychiaを主訴としたSjögren症候群

著者: 田村俊哉 ,   坂井博之 ,   飯塚一 ,   岸山和敬 ,   種市幸二

ページ範囲:P.757 - P.760

 40歳,女性.手指爪甲の淡褐色のびまん性色素沈着と黒褐色の縦の色素線条(longitudinal melanonychia)を主訴に受診.同時に爪囲紅斑も認め,種々の検索によりSjögren症候群と診断した1例を,後爪郭と爪母の組織所見とともに報告した.全身性エリテマトーデス(SLE)の患者においても,ときに同様のmelanonychiaを認めることがあることから,多指にわたるmelanonychiaを認めた場合には,Sjögren症候群やSLEなどのcollagen diseaseもその原因として考慮すべきものと考えた.

副腎皮質ホルモン内服が著効を示したKasabach-Merritt症候群(出血前期)の1例

著者: 中川浩一 ,   小林裕美 ,   新藤季佐 ,   濱田稔夫 ,   楠田聡 ,   小林庸次

ページ範囲:P.761 - P.765

 日齢6日の女児.出生時より右下腿に,膝関節から足関節までで下腿の半周に及ぶ,高台状の巨大な血管腫を認めた.血液検査にて,明らかな出血傾向は認められなかった.生検標本の組織では,不規則に拡張した血管腔の他に,無秩序に増殖する血管内皮細胞の腫瘍巣と出血が観察された.一部には,スリット状の狭い管腔や不明瞭で微細な管腔を形成する未分化な血管も存在した.以上の所見から,Kasabach—Merritt症候群の第1期(出血前期)と考えた.治療として,prednisoloneを5mg/kg/day内服から開始して漸減した.血管腫は急速に縮小し,初診より2カ月後にはほとんど触知されない程度にまでなった.

症例報告

未定型群(Ⅰ群)らいの1例—早期診断の重要性

著者: 宇谷厚志 ,   新屋明美 ,   大野佐代子 ,   段野貴一郎 ,   宮地良樹 ,   市島国雄 ,   原田禹雄 ,   尾崎元昭

ページ範囲:P.769 - P.772

 東南アジア出身の母親を持つ13歳,男性にみられた未定型群らいの1例を報告した.約2年前より左手背,左下肢に浸潤を伴わない境界やや不明瞭な,周辺に軽い発赤を伴う低色素斑が生じ,知覚低下を伴っていた.組織像は真皮血管および付属器周囲性の軽度のリンパ球浸潤が認められたのみであった.Ziehl-Neelsen染色でらい菌は見いだせなかったが,S−100蛋白染色にて真皮神経周囲のリンパ球浸潤が明らかとなったこと,母親にらい腫型らいの認められたことなどより未定型群らいと診断した.未定型群らいは他のタイプのらいの早期病変と考えられ,早期診断,治療が肝要なことから,知覚低下を伴つ低色素斑をみた場合には,本症を念頭におくことが必要と思われる.

肝内病変を伴った結節性紅斑様サルコイドーシスの1例

著者: 中村保夫 ,   影山慎一 ,   吉沢教彦

ページ範囲:P.773 - P.776

 紅節性紅斑様皮疹を呈し,腹腔鏡および肝生検にて肝サルコイドが確認されたサルコイドーシスの1例を報告した.症例は25歳,女性.一過性の両側耳下腺腫脹と急速な視力低下とともに,両下腿に無痛性紅斑が出現し来院.病理組織では,真皮から皮下組織に類上皮細胞肉芽腫が散在.BHL,肺野病変,両眼ブドウ膜炎を認め,ACEは高値.腹腔鏡検査で肝表面に黄白色結節がみられ,肝生検でサルコイド肉芽腫が認められた.結節性紅斑様皮疹は安静のみで自然軽快を示した.治療はプレドニゾロン30mg/日が投与され,BHLと眼病変は軽快したが,肺野病変は徐々に増強している.結節性紅斑様皮疹の本邦報告例を集計し,臨床的な検討を加えた.

Dペニシラミンによる移植片対宿主反応型薬疹—症例報告と免疫組織化学的,電顕的所見

著者: 大沢薫子 ,   清水直也 ,   伊藤雅章 ,   勝海薫 ,   佐藤良夫

ページ範囲:P.779 - P.783

要約 症例は29歳,男性.若年性関節リウマチの治療薬としてDペニシラミン(メタルカプターゼ®)を18カ月間投与された後,四肢および体幹に鱗屑を伴う瘙痒性紅斑が出現した.前腕の紅斑を生検し,光顕的,免疫組織化学的および電顕的に検討し,移植片対宿主反応に類似の所見を得た.Dペニシラミンの中止とステロイド剤内服により略治した.以前,金チオリンゴ酸ナトリウム(シオゾール®)で薬疹を起こした既往があり,また,この後,ブシラミン(リマチル®)でも薬疹を起こした.これらの薬剤は共通の構造としてSH基を有する.交叉性を検討するため,チオプロニン(チオラ®),カプトプリル(カプトリル®),オーラノフィン(リドーラ®)のSH薬剤の貼布試験を試みたが,交叉性は認められなかった.

p-ANCAが陽性の皮膚結節性多発動脈炎の1例

著者: 加藤直子 ,   渥美剛

ページ範囲:P.785 - P.789

 57歳の男性の,皮膚結節性多発動脈炎の1例を経験した.下肢の筋肉痛および関節痛で発症し,大腿後面に皮下結節を認めた.病理組織学的に,皮下結節は筋型動脈の壊死性血管炎を,大腿二頭筋は筋鞘下の筋核の増加と鎖状核を示した.ステロイドホルモンの全身療法によく反応したが,寛解中の血清検査にて,perinuclear pat—ternのantineutrophil cytoplasmic antibody(p-ANCA)が陽性を示した.血管炎症候群とANCAとの関係を示唆する興味ある所見と考えられる.

糖尿病の食事療法のみで平坦化した発疹性黄色腫の1例

著者: 溝口夕美 ,   當間由子 ,   徳橋和子 ,   落合豊子 ,   鈴木啓之 ,   森嶋隆文

ページ範囲:P.791 - P.794

 初診の4カ月前より臀部,四肢に自覚症のない黄色〜淡紅色の小丘疹が出現し,糖尿病,V型高脂血症を伴った発疹性黄色腫の15歳,女子例を報告した.患者は小児期より過食,肥満がみられ,12歳時糖尿病,13歳時肝機能障害を指摘されたが,放置していた.家族歴では母方の祖母に糖尿病を認める.身長163cm,体重85kg.血清は乳び,トリグリセライド(TG)6230mg/dl,総コレステロール(chol.)682mg/dlと高値を示し,リポ蛋白分画ではpre—β21.5%,アポリポ蛋白はBが145mg/dl,C—2が17.2,C−3が49.8で,Fredricksonらの分類でⅤ型高脂血症に相当した.治療は糖尿病に対し,1日1400kcalの食事療法のみを行った.2週間後,/血糖値の低下に伴い,TG450,総chol.207まで低下,皮疹も平坦化した.今まで報告された発疹性黄色腫の治療につき文献的に検討し,さらに皮疹の発症機序と消褪について論述した.

足底線維腫症の1例

著者: 工藤忍 ,   工藤厚

ページ範囲:P.795 - P.799

 初診2年前より徐々に両足底に小腫瘤を生じ歩行時疼痛を伴うようになったため来院した55歳男性の足底線維腫症を報告した.大小3個の腫瘤は乳白色充実性割面を有し,正常腱膜組織に連続して認められた.腫瘤中心部は線維芽細胞様細胞が密に増生し,一部に,血管内皮肥厚,ヘモジデリン沈着,小円形細胞浸潤を認め,周辺部では増殖細胞は束状に配列し線維性組織へ移行していた.病理組織および免疫組織化学的検討の結果,増殖細胞は筋線維芽細胞であると考えられ,本症が腱膜の損傷に伴う反応性病変であることが示唆された.圧痛および歩行時痛は腫瘤辺縁に認められた末梢神経組織およびVater-Pacini層板小体により惹起されたと推論した.

Sebaceous Trichofolliculomaの1例

著者: 石倉多美子

ページ範囲:P.801 - P.803

 70歳の男性の右上眼瞼に生じたsebaceous trichofolliculomaの1例を記述した.臨床的にはドーム形の腫瘍であった.組織像では,中央に大きな角質嚢腫があり,上端は表面の凹みに開口し,壁は扁平上皮からなり,腔内には角質塊と毳毛の断片がみられた.嚢腫壁から周囲組織内へ放射状に二次毛包が形成され,先端に毛母様構造があり,周囲に結合組織増殖が顕著な部位,また脂腺の発達が著明で脂腺小葉と導管の豊富な部位,これら両者の混在がみられた.Sebaceous trichofolliculomaの本邦報告例をあげ,名称について若干の考察を加えた.

Acinic Cell Tumorの1例

著者: 宮本雅人 ,   石井則久 ,   一山伸一 ,   大勝美保 ,   中嶋弘

ページ範囲:P.805 - P.808

 78歳男性の右耳介後部に発生したacinic cell tumor(腺房細胞癌)について報告した.腫瘤は34×32×22mmの表面平滑,しかし著しい血管拡張を示し,弾性硬,半球状隆起性腫瘤であった.組織学的には正常唾液腺細胞に類似する腫瘤細胞が認められた.Acinic cell tumorは皮膚科領域においては報告例が少ないが,皮膚科医も知っておかねばならない腫瘍と考え,若干の考察を加えて報告した.

外陰部に生じたTubular Apocrine Adenomaの1例

著者: 木花いづみ ,   新関寛徳 ,   生冨公明

ページ範囲:P.809 - P.812

 49歳女性の大陰唇に生じたtubular apocrine adenomaの1例を報告した.組織学的には真皮全層における大小の管腔構造より成り,管腔は2層の細胞で構成され,しばしば断頭分泌の所見を認めた.免疫組織学的所見からはアポクリン導管部への分化を示す腫瘍と考えられた.

女子外陰部に原発した悪性黒色腫の1例

著者: 三砂範幸 ,   高橋雅弘 ,   幸田弘

ページ範囲:P.813 - P.816

 58歳,女子.初診の1週間ほど前に,左大陰唇に黒色斑があるのに気づいた.左大陰唇からわずかに左小陰唇にかけて,拇指頭大ほどの境界明瞭な黒色斑を認めた.組織像は,辺縁部で紡錘型の異型メラノサイトが基底層に沿って増殖しており,lentiginous typeの悪性黒色腫であった.腫瘍細胞の多くは胞巣を形成しているが,基底膜は一部不明瞭な所を除き保たれていた.女子外陰部原発悪性黒色腫,pTisないしpT1NOMO,Stage Iと診断した.以上のstage,levelおよび,大陰唇原発であることから,手術は辺縁より約2cm離したlocal excisionのみとした.術後約1年の現在,再発や転移は認めない.本症例を報告するとともに,欧米では多数例の報告のある女子外陰部原発悪性黒色腫の臨床像について概説した.

研究ノート・21

荒神橋

著者: 宮地良樹

ページ範囲:P.772 - P.772

 鴨川に掛る幾多の橋の中で,私の格別好きな橋は荒神橋である.丸太町と今出川の間にある何の変哲もない石橋だが,河原町詰から渡るとき,まず比叡山を背景に京大の時計台が見え,中途まで来ると,はるかに北山が望める.大学に入って京都に住むようになり,はじめてこの橋を渡ったときから,いっぺんに荒神橋が気に入ってしまった.それ以来,学生時代のデートの待ち合わせに通いつめたジャズ喫茶へ行くときも,研究するようになってから,実験の合い間にドーナッツを食べに行くときも好んで荒神橋を渡った.仕事がうまくいかなくて気が滅入りそうなときも,研究室から一番近いこの橋まで来て,山なみや川の流れを見ると気分が晴れたものだった.荒神橋以外にも,吉田山裏の真如堂や西賀茂の正伝寺など有名ではないが私には大切ないくつかの場所があって,よく足を運んだ.正伝寺の庭を見ながら思いついたアイディアの実験もあれば(結局うまくいかなかったが),真如堂に行くと必ず思い出す自分の論文もある.それぞれに点綴された思い出が凝縮され,自分の仕事も私生活も京都の街が大きく包んできてくれた気がする.東京や大阪などの大都会に住む人には申し訳ないが,京都では満員電車にゆられて疲れることもないので大学に着いたらすぐに実験を始められる.実験に疲れれば,歩いて行ける範囲に心安らぐ場所がある.こう書いて来ると,悪しき京都人の閉鎖的な感覚と嗤われそうだが,静岡の高校を出て以来,20年も当地に住みつくと,京都の風物が研究を育むというのが実感として理解できる.京都を離れ,満員電車で通勤するようになってはじめて恵まれた研究環境だったことに気がついた.どんな都市にも,それぞれ特有の包容力があって,研究者も無意識のうちにその恩恵に浴しているのだろうが,京都にもやはりそれがある.学会や情報の中心は日本の場合東京なので,いつも東京を指向して研究すべきとは思うが,実際東京へ行くと人いきれで疲れてしまう.上京のたびに要する片道3時間の時間と費用は,在京の人に比べると不利だが,京都に依拠した生活に馴染んでしまっているので仕方がない.関西では,京都で学んで,大阪で仕事をし,神戸に住むのが理想とされるが,将来,どこへ移り住むことになろうとも,その土地に馴化し,京都で学んだのと同じような環境に包まれて臨床研究を続けられたらいいなと思う.

治療

慢性色素性紫斑に対する温清飲の治療効果

著者: 寺木祐一 ,   多島新吾 ,   西川武二

ページ範囲:P.817 - P.819

 慢性色素性紫斑の患者12例に漠方薬の温清飲を1日6g投与した.9例で著効から有効であった.その効果は投与2週目より認め,投与後2週〜6週,平均4.2週で紫斑はほぼ消褪した.慢性色素性紫斑の発症において局所の循環障害と何らかのアレルギー機序が深く関わっていると考えられるが,温清飲が奏効する機序としてその血管拡張,止血,および抗アレルギー,抗炎症作用によるものと推定した.

印象記

SCUR and JSUCB Joint Meeting印象記—日本電顕皮膚生物学会へのお誘いをかねて

著者: 小野友道

ページ範囲:P.820 - P.822

 並木のマロニエが咲き,モーツァルト没後200年で賑わうウィーンで,5月23日〜25日,SCUR(Society for Cutaneous Ultra—structural Research)とJSUCB(Japanese Society for Ultra—structural Cutaneous Biology;日本電顕皮膚生物学会)との第1回合同会議が開催された.湾岸戦争中に演題募集がなされたため,本会への出席を思いとどまった先生方もおられたと聞き及んだが,同伴者を含め約50名が日本から参加した.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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