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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻10号

1991年09月発行

文献概要

原著

汎発型Angioma Serpiginosum:Tricho-Rhino-Phalangeal Syndrome Typelに併発した1例

著者: 川村邦子1 杉山貞夫1 高橋誠1 富田英2

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科学教室 2札幌医科大学小児科学教室

ページ範囲:P.739 - P.744

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 20歳男性.Tricho-rhino-phalangeal syndrome type Iに併発した汎発型angioma serpiginosumの1例を報告した.顔面,掌蹠,下腿を除くほぼ全身に,軽度の瀰漫性紅斑を伴う微細な暗赤色点状皮疹が融合することなく密集していた.組織学的に主たる病変は,真皮乳頭下層の血管の拡張と増生であった.脈管の病態生理学的側面を第Ⅷ因子関連抗原,UEA-Iレクチン,alkaline phosphatase(ALP)染色,電顕を用いて観察した.病変血管はUEA-Iレクチン結合陽性を示し,ALP染色では拡張の著しい血管に酵素活性の低下が認められた.電顕的には,拡張した血管にpericyteの多層化を認めた.これらは血管拡張性疾患における血管の代謝状態,分化度を知る上で有用であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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