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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻10号

1991年09月発行

今月の症例

副腎皮質ホルモン内服が著効を示したKasabach-Merritt症候群(出血前期)の1例

著者: 中川浩一1 小林裕美1 新藤季佐1 濱田稔夫1 楠田聡2 小林庸次3

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2大阪市立小児保健センター第1内科 3大阪市立小児保健センター病理科

ページ範囲:P.761 - P.765

文献概要

 日齢6日の女児.出生時より右下腿に,膝関節から足関節までで下腿の半周に及ぶ,高台状の巨大な血管腫を認めた.血液検査にて,明らかな出血傾向は認められなかった.生検標本の組織では,不規則に拡張した血管腔の他に,無秩序に増殖する血管内皮細胞の腫瘍巣と出血が観察された.一部には,スリット状の狭い管腔や不明瞭で微細な管腔を形成する未分化な血管も存在した.以上の所見から,Kasabach—Merritt症候群の第1期(出血前期)と考えた.治療として,prednisoloneを5mg/kg/day内服から開始して漸減した.血管腫は急速に縮小し,初診より2カ月後にはほとんど触知されない程度にまでなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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