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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻10号

1991年09月発行

文献概要

症例報告

女子外陰部に原発した悪性黒色腫の1例

著者: 三砂範幸1 高橋雅弘1 幸田弘1

所属機関: 1佐賀医科大学内科学皮膚科

ページ範囲:P.813 - P.816

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 58歳,女子.初診の1週間ほど前に,左大陰唇に黒色斑があるのに気づいた.左大陰唇からわずかに左小陰唇にかけて,拇指頭大ほどの境界明瞭な黒色斑を認めた.組織像は,辺縁部で紡錘型の異型メラノサイトが基底層に沿って増殖しており,lentiginous typeの悪性黒色腫であった.腫瘍細胞の多くは胞巣を形成しているが,基底膜は一部不明瞭な所を除き保たれていた.女子外陰部原発悪性黒色腫,pTisないしpT1NOMO,Stage Iと診断した.以上のstage,levelおよび,大陰唇原発であることから,手術は辺縁より約2cm離したlocal excisionのみとした.術後約1年の現在,再発や転移は認めない.本症例を報告するとともに,欧米では多数例の報告のある女子外陰部原発悪性黒色腫の臨床像について概説した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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