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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻11号

1991年10月発行

文献概要

原著

類上皮細胞肉芽腫を伴った菌状息肉症

著者: 大石祐子1 三橋善比古1 橋本功1 鎌田義正2

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2弘前大学第一病理学教室

ページ範囲:P.839 - P.845

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 62歳,男性.組織学的に類上皮細胞肉芽腫がみられた菌状息肉症の1例を報告した.初診の2年前,右前腕に紅斑出現,次第に四肢・頸部・上背・臀部に浸潤性隆起性紅斑が多発した.組織学的検索で,真皮全層に瀰漫性の細胞浸潤が見られ,表皮内のポートリエ微小膿瘍およびfollicular mucinosisの像を認めた.表皮内および真皮上層の浸潤細胞は,リンパ球マーカー陽性の異型性を示す小円形細胞が主体で,真皮中〜下層では,リンパ球マーカー陰性で,S−100蛋白陽性,一部はCD 1の類上皮細胞が密に浸潤し,一部で肉芽腫を形成していた.電顕的観察では,類上皮細胞は組織球様で核の異型性はなく,少数の細胞にBirbeck顆粒を認めた.類上皮細胞肉芽腫を形成する菌状息肉症について,過去の報告をまとめ,自験例と比較した.さらにその位置づけおよび臨床的意義について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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