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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻11号

1991年10月発行

症例報告

石灰沈着を伴った表皮嚢腫の2例

著者: 黒田真臣1 駒田信二1 工藤芳子1 高安進2

所属機関: 1健和会大手町病院皮膚科 2大分医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.887 - P.889

文献概要

 症例1:12歳,女性.右足底第2趾付け根部分にドーム状に隆起した.貨幣大,弾性軟,軽度圧痛を伴う皮下腫瘤を認める.皮膚および下床との可動性は比較的良好.摘出腫瘤のHE染色標本にて,大小4個の嚢腫様構造を認める.最も大きい嚢腫では約半周を層状の角質内容を伴った重層扁平上皮に被われ,残りの半周では上皮被膜は欠如し,周囲の結合組織には小円形細胞浸潤,異物巨細胞を多数認める.さらに,上皮被膜欠損部の巨細胞および嚢腫内容物の一部には石灰沈着を認める.症例2:43歳,女性.右膝蓋部に20×25mmの皮膚潰瘍を認め,潰瘍底には米粒大までの骨様硬の白色塊が点在している.HE染色標本では,無構造な石灰沈着塊を取り囲む形で軽度変性した上皮細胞が認められ,周囲の真皮内には小円形細胞浸潤および小型の石灰沈着塊を多数認める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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