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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻11号

1991年10月発行

症例報告

偽腺性有棘細胞癌—大型腫瘤を形成した高齢者の1例

著者: 木村俊次1 小林都江1

所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.907 - P.910

文献概要

 97歳男子頭皮に単発した大型の偽腺性有棘細胞癌の1例を報告した.2年前外傷を契機に生じて漸次増大し,初診時8×7×2cmの大型腫瘤を呈したが,所属リンパ節や遠隔部への転移は認められなかった.組織学的には典型的な偽腺性有棘細胞癌の像を呈したが,初覆表皮の一部と連続性を有し,被覆表皮の下半には老人性角化腫を思わせる所見もみられた.臨床的にも周辺頭皮および顔面に老人性角化腫が多発し,そうした皮疹の一つからの由来が考えられた.本症例は年齢も高く,大きさも本邦最大級であった.本邦例について,転移をきたした例はそうでない例に比べて年齢が若く,より大型の腫瘤を呈する傾向がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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