icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻12号

1991年11月発行

文献概要

症例報告

結節性紅斑様白癬疹を伴ったケルスス禿瘡の1例

著者: 猿喰浩子1 伊藤裕子1 園田早苗1 川津友子1

所属機関: 1関西労炎病院皮膚科

ページ範囲:P.947 - P.950

文献購入ページに移動
 6歳,女児.初診の8日前,頭部の瘙痒性紅色疹に気づく.近医にて抗生剤投与を受け増悪し脱毛局面となり,頬部,耳介に瘙痒性紅色疹を生じ,次いで両下腿に自発痛,圧痛を伴う硬結が生じた.初診時左頭頂部に毛包性膿疱と痂皮を伴う扁平隆起性脱毛局面あり,直接鏡検にて菌要素陽性.38℃の発熱あり,入院のうえグリセオフルビン内服.第3病日より解熱し排膿は著明に減少,第7病日にはほぼ痂皮となり両下腿の硬結もほぼ消退.毛髪の培養でTrychophytom mentagrophytesが同定された.組織で頭部は,毛包を中心に好中球,リンパ球の浸潤,毛包内に菌要素を認め,硬結性紅斑では真皮下層から脂肪織の血管周囲,葉間隔壁に好酸球,リンパ球を主とした著明な細胞浸潤を認めた.トリコフィチン反応陽性.結節性紅斑様白癬疹を伴ったケルスス禿瘡と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?