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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻12号

1991年11月発行

文献概要

症例報告

エテンザミドによる薬疹の2例

著者: 斎藤すみ1 平井義雄1 宮本秀明2 池澤善郎3

所属機関: 1横浜赤十字病院皮膚科 2平塚共済病院皮膚科 3横浜市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.973 - P.977

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 解熱鎮痛剤エテンザミドによる5歳男児の固定薬疹と22歳男のMCOS(皮膚粘膜眼症候群)ないしTEN(中毒性表皮壊死症)型と思われる症例を経験した.症例1は典型的な固定薬疹であった.症例2は臨床症状より多発性の水疱形成を伴った大型固定薬疹ともみなせるものであるが,免疫組織学的検討を加えたところ,急性期の皮疹ではOKT 6陽性ランゲルハンス細胞(LAC)の著減および,HLA-DR陽性やICAM−1陽性の表皮角化細胞が見られた,これに対して慢性期の皮疹ではこれらの所見は消失していた.以上の所見は急性皮膚GVHR(graft versus host reaction)のそれに一致しており,固定薬疹よりもむしろMCOS/TEN型に近い薬疹と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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