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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻2号

1991年02月発行

文献概要

原著

黄色腫を伴った原発性胆汁性肝硬変—プロブコールによる治療効果

著者: 三原昌子1 稲垣安紀1 幸田衞1 小玉肇2 植木宏明1

所属機関: 1川崎医科大学皮膚科学教室 2高知医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.101 - P.105

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 多彩な黄色腫を呈した原発性胆汁性肝硬変の1例を報告した.症例は39歳女性.昭和59年4月,全身倦怠感,黄疸が出現し,昭和60年7月,肝生検等により原発性胆汁性肝硬変と診断された.昭和60年2月より手掌の掌紋にそった黄色線条,上眼瞼内角部に扁平隆起性の黄色斑,大腿と上肢に黄色丘疹が出現.皮膚生検により,黄色腫と診断.検査では,遊離脂肪酸,トリグリセリド,燐脂質,β—リポ蛋白,コレステロールの上昇を認めた.初期には電気泳動上broad—βリポ蛋白の存在が疑われたがリポプロテインXは検出されなかった.プロブコール750mg/日内服で治療を開始し,手掌線状黄色腫,大腿,上腕,前腕の黄色腫は内服開始2週間後よりしだいに消褪傾向を認め,約3カ月でほぼ消失した.しかし,眼瞼黄色腫の改善は軽度であった.また,血中脂質では,トリグリセリド,燐脂質,コレステロール値の低下が認められ,経過中にリポプロテインXが検出された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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