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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻2号

1991年02月発行

症例報告

治療に苦慮した汎発性膿疱性乾癬の1例—エトレチネートの初期刺激反応に関連して

著者: 生冨公明1 石河晃1 木花いづみ1

所属機関: 1川崎市立川崎病院皮膚科

ページ範囲:P.133 - P.136

文献概要

 41歳,女性の,環状紅斑を呈するZumbush型の汎発性膿疱性乾癬を経験した.本例は17歳時尋常性乾癬として初発し,メソトレキセート,副腎皮質ホルモン剤の内服投与を受けたことがあり,Baker&RyanのグループIに属する.本例は,膿疱発作時,数回エトレチネートの投薬を受けるも,比較的短期間の経過観察で反応不良と判断され,難治性の膿疱性乾癬として治療を受けていた.しかし,今回発想の転換を行い,プレドニゾロン30mgに対しエトレチネートを中途より追加併用することにより,すみやかにプレドニゾロンを減量中止し,エトレチネート単独維持療法に変更できた.エトレチネート投与開始早期には,一見副作用と思われるがごとく乾癬皮疹が増悪する時期があり,エトレチネートの評価を下すには,少なくとも4週間ぐらいの時間を要すると痛感した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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