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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻2号

1991年02月発行

文献概要

症例報告

水痘後の瘢痕に一致して皮疹が生じたサルコイドーシスの幼児例

著者: 樋口由美子12 西山千秋1 森嶋隆文1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2駿河台日本大学病院皮膚科

ページ範囲:P.137 - P.141

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 確定診断が遅れたためか盲学校に入学した昭和56年4月生まれのサルコイドーシス幼児例を報告した.自験例は2歳4カ月時、水痘に罹患し、皮疹は瘢痕を残して治癒していたが,4カ月を過ぎた頃よりその部位が隆起するとともに赤味をおび,同時に熱発と手足の有痛性腫脹をきたした.3歳6カ月時,眼症状より虹彩毛様体炎,虹彩後癒着と診断され,3歳7カ月時,皮疹の生検にて原疾患がサルコイドーシスと確定した.幼児の本症の特徴は,1)発生頻度は極めて低い,2)成人や年長児と異なり皮膚病変,眼病変,関節病変を有することが特徴で,肺病変はむしろ稀である,3)生命の予後は良いが,眼病変は最も注意すべき病変で,見過ごされて失明にいたることもある,4)皮膚病型に関しては苔癬様型が半数以上を占める,と要約できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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