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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻2号

1991年02月発行

症例報告

尋常性狼瘡の高齢期初発例

著者: 斎藤学1 倉持政男1 五味博子1 堀川悦朗1 斎藤明1 三浦隆1

所属機関: 1帝京大学市原病院皮膚科学教室

ページ範囲:P.147 - P.150

文献概要

 高齢期に初発した尋常性狼瘡の1例を報告した.1980年以降最近10年間における本症本邦報告例を集計し,特に初発年齢の面から検討した.自験例は61歳女性で,約1年前左上腕に大豆大の紅斑局面が発生,以後自覚症状ないまましだいに拡大.病理組織像は典型的.培養にて人型結核菌を検出.従来より本症はほとんどの症例が30歳代までに初発する1)とされていたが,1965年を境として症例数が急減する2)につれ高齢者症例の報告が散見されるようになった.今回検索し得た全報告85例を,発症年により1965年前,後および最近の10年という3群に分け,初発年齢について検討した結果,1965年以前の群では94%が30歳代までに初発し,1965年以降では逆に40歳以上の中高齢者が74%を占め,とくに最近10年間群においては14例中11例が40歳代以上,特に6例が50歳代であった.すなわち,近年とくに初発年齢の高齢化が認められ,今後さらに高齢化が進むものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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