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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻2号

1991年02月発行

文献概要

症例報告

巨大腫瘤を呈した皮膚悪性リンパ腫の1例

著者: 小松平1 高田裕1 宮川淳子1 加藤安彦1 長谷哲男2

所属機関: 1横浜市立市民病院皮膚科 2横浜市立大学病院皮膚科

ページ範囲:P.159 - P.162

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 皮膚病変を主病変とし,巨大腫瘤を呈し,末期には白血化が認められた皮膚悪性リンパ腫の1例を報告した.症例は65歳の女,約3カ月で12×8×3.5cmを呈した腰背部の巨大腫瘤と約6カ月で12×8cmに及ぶ紅色局面を主訴として来院した.腋窩リンパ節腫脹.皮膚生検にて表皮向性を伴わない中型腫瘍細胞のびまん性浸潤が認められた.腫瘍細胞の表面マーカー検索の結果は,CD2+,CD3−,CD4−,CD5−,CD10+,CD19−,CD22−,MT−1+,SL−26−で,皮膚悪性リンパ腫に多いmatureなhelper T細胞型ではなく,やや幼若なpre thymic T細胞性に相当するものであった.皮膚腫瘤・紅色局面および腋窩リンパ節切除後化学療法を施行したが白血化をきたし死亡した.皮膚におけるpre T細胞性リンパ腫は比較的まれと思われるので文献的に若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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