icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻2号

1991年02月発行

文献概要

症例報告

Atypical Melanocytic Hyperplasia—Superficial Soreading Melanoma in situの前駆病変

著者: 原弘之1 石井良典1 柴田明彦1 鮫島俊朗1 兼松秀一1 森嶋隆文1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.163 - P.166

文献購入ページに移動
 病理組織学的にatypical melanocytic hyperplasia(AMH)と診断した2症例の病巣中5-S-cysteinyldopa(5-S-CD)値を測定した.症例1は49歳女,鼻背左側の径7mmの類円形,濃淡のある黒褐色色素斑で,症例2は58歳男,右頬部の12×8mm,濃淡のある不規則黒褐色色素斑であり,病理組織学的には,Sagebielの記載に従うと,症例1はAMH,症例2はAMH with host responseであった.病巣中5-S-CD値は症例1は176.0ng/mg,症例2では76.8ng/mgと悪性黒色腫を思わす高値であった.病巣中5-S-CD値の観点から,AMHはsuperficial spreading melanoma(SSM)in situそのものと思われるが,病理組織学的にはSSM in situの典型像とは異なっており,SSM in situへの段階的癌化過程の早期病変すなわち,SSM in situのprecursor Iesionとして位置づけるのが妥当のように思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?