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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻3号

1991年03月発行

文献概要

今月の症例

小児に発症した尋常性天疱瘡の1例

著者: 佐々木道子1 斉藤幸雄2 山本一哉2 早川和人3 橋本隆3 西川武二3

所属機関: 1浦和市立病院小児科 2国立小児病院皮膚科 3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.203 - P.206

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 非常に稀と思われる尋常性天疱瘡の小児例を報告した.患者は12歳4カ月,女児.頭部および口腔内病変より発症し,全身に水疱・びらんを認めた.組織学的に表皮基底層直上に棘融解性水疱が見られ,病変皮膚表皮細胞間にIgG,C3の沈着を認めた.血中抗表皮細胞間抗体は960倍陽性で,免疫ブロット法による検索で,尋常性天疱瘡特異抗原を検出した.これらの臨床症状・検査結果は,通常の成人発症の尋常性天疱瘡と全く同様であった.今後,小児尋常性天疱瘡発症の機序につき,さらに種々の検討が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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