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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

原著

Multicentric Extraabdominal Desmoid(Aggressive Fibromatosis)

著者: 稲垣安紀1 浜崎洋一郎1 幸田衞1 植木宏明1

所属機関: 1川崎医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.289 - P.293

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 症例:11歳女性.8歳時に左足背の外傷治癒後に皮下小結節が出現し,切除されたが度々再発し増大したため来院.線維腫の診断にて放射線療法を施行し,同部は軽快したが,約2年後,同側下腿の手術瘢痕部に3個の皮下結節が出現し,しだいに拡大した.3年後にはふくらはぎ部にも皮下結節が出現し,1年間で小児手拳大となり,疼痛を伴ってきたため,皮下腫瘤摘除および腫瘍の浸潤した筋群と神経を切除した.組織学的には,腫瘍細胞に異形性はなく,束状に配列した紡錘形の細胞が主体で間質に豊富なコラーゲンがみられた.9年間経過を観察できたが,遠隔転移の所見はなく,multicentric extraabdominal desmoidと診断した.外科的切除を早期に十分に行い,放射線療法は補助的療法として有用と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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