文献詳細
症例報告
文献概要
症例1:60歳,男.肺癌を合併した皮膚筋炎.四肢の瘙痒性紅斑上に急速かつ広範に小水疱の形成が認められた.組織学的に基底層の液状変性,真皮上層の著明な浮腫,一部で表皮下水疱の形成がみられた.ステロイド剤が著効したが肺癌の術後,肺炎にて死亡した.症例2:76歳,女.2年前より皮膚筋炎にて加療中.約3年前より右下腹部に瘢痕様病変あり.皮下に石灰沈着を思わせる大きさ12×5cmの板状硬結を認めた.組織学的に皮下脂肪織に脂肪肉芽腫の像がみられ,脂肪細胞は崩壊して大小のoil cystsを形成し,嚢胞内には萎んだ唐草模様状の膜構造が出現しており,これはNasuのいう膜嚢胞性変化と思われた.
掲載誌情報