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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻4号

1991年04月発行

症例報告

特異な皮疹を呈した皮膚筋炎の2例

著者: 石河亜紀子1 栗原誠一2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2湘南皮膚科

ページ範囲:P.307 - P.311

文献概要

 症例1:60歳,男.肺癌を合併した皮膚筋炎.四肢の瘙痒性紅斑上に急速かつ広範に小水疱の形成が認められた.組織学的に基底層の液状変性,真皮上層の著明な浮腫,一部で表皮下水疱の形成がみられた.ステロイド剤が著効したが肺癌の術後,肺炎にて死亡した.症例2:76歳,女.2年前より皮膚筋炎にて加療中.約3年前より右下腹部に瘢痕様病変あり.皮下に石灰沈着を思わせる大きさ12×5cmの板状硬結を認めた.組織学的に皮下脂肪織に脂肪肉芽腫の像がみられ,脂肪細胞は崩壊して大小のoil cystsを形成し,嚢胞内には萎んだ唐草模様状の膜構造が出現しており,これはNasuのいう膜嚢胞性変化と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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