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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻4号

1991年04月発行

文献概要

症例報告

パッチテストにより全身の色素沈着部に再燃を見た中毒性表皮壊死症の1例

著者: 青山浩明1 薄場泰子1 富田靖1

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.313 - P.316

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 症例は24歳,女性.出産直後にセフェム系抗生剤の投与を受けたあと,かぜ様症状,発熱とともに出現した紅斑が,再度のセフェム系抗生剤投与後に水泡化し,中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis;TEN)を生じた.皮疹は血漿交換,パルス療法,プレドニン投与で軽快した.皮疹の治癒後,無疹部で擦過貼布試験を行ったところ,発疹消退後の色素沈着部に一致して紅斑の再燃(flare-up)を見た.免疫組織学的解析を試み,T細胞を介した細胞性免疫の関与を示唆する所見を得た.TEN型の薬疹にパッチテストを行い,発疹消退後の色素沈着部にのみflare-upを見たことはきわめて珍しく,TEN型薬疹の発症機序を考えるうえで興味ある症例と考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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