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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻5号

1991年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991 I 最近話題の疾患

新生児エリテマトーデス

著者: 丹治修1 長谷川隆哉1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.12 - P.17

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 患児は生後2日の女児.出生時より顔面にDLE様紅斑を認めた.組織はDLEの像と一致.Lupus band test(LBT)陽性.抗核抗体(ANA),抗RNP抗体,抗SSA/Ro抗体は陽性を示し,LE test,抗DNA抗体,抗Sm抗体,抗SSB/La抗体陰性であった.心電図,心エコーで心異常はなかった.無治療にて,生後5カ月には血中の異常抗体は陰性となり,顔面の紅斑も消退した.その母親は,これまでに膠原病の診断を受けた既往はない.ANA,抗RNP抗体,抗SSA/Ro抗体は陽性であったが,LE test,抗DNA抗体,抗Sm抗体,抗SSB/La抗体は陰性であった.LBT陽性.Sjögren症候群(SjS)についての検査は陰性.現在はSLEとして治療を受けている.本症に関する全国160施設のアンケートによる59例(男児22例,女児37例)については,皮疹の出現は環状のものが72%と最も多く,部位は顔面が多かった.心疾患の合併は11%にみられた.母親はSLE37%,SjS23%の順に多かった.患児と母親の異常抗体の出現率では,両者とも抗SSA/Roおよび抗SSB/La抗体が高かったが,3例のNLEでどちらの抗体も陰性を示し,抗RNP抗体との関与が示唆された.NLEは母親からの胎盤通過抗体により,一時的に発症する疾患とされているが,われわれの調査では母親由来の異常抗体が一度減少あるいは消失した後に,自ら自己抗体を産生するようになったと考えられるSLE移行型のNLEが5例認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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