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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991 I 最近話題の疾患
成人Still病
著者: 臼田俊和1
所属機関: 1社会保険中京病院皮膚科
ページ範囲:P.18 - P.23
文献購入ページに移動 成人Still病の典型的な3症例を報告した.3例とも定型的なリウマトイド疹が認められ,診断上有用であった.成人Still病は,1971年Bywatersによって提唱された疾患慨念で,sub—sepsis allergicaをはじめとする多数の同義語がある.病因は不明であるが,感染性因子によって刺激された生体の異常反応が関与していると考えられている.本症は発熱,関節症状,皮疹の3主徴のほか,咽頭痛,リンパ節腫脹,肝脾腫など多彩な症状を認める多臓器障害性の疾患であり,検査所見では赤沈値亢進,CRP強陽性,白血球数増加といった高度の炎症性所見が特徴的で,血清フェリチン高値も注目されている.診断は除外診断が基本であり,鑑別診断を確実に行う必要があるが,定型的な皮疹(リウマトイド疹)は特異性のある所見と考えられており,皮膚科学的には大変重要である.
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