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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻5号

1991年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991

I 最近話題の疾患

伝染性紅斑:最近の知見—ヒトパルボウイルスB19感染症

著者: 笠井達也1

所属機関: 1国立仙台病院皮膚科

ページ範囲:P.41 - P.46

文献概要

 伝染性紅斑は古くから知られた疾患でありながら,その原因ウイルスがhuman parvo—virus B19と判明したのは,ようやく1983年のことである.このウイルスに関する検索が進められた結果、伝染性紅斑以外に感冒様症状,溶血性貧血患者におけるaplastic crisis,関節炎ないし関節痛,紫斑あるいは水疱を主徴とする皮疹,さらには妊婦の感染時の胎児水腫による流産あるいは死産等の発症に関与していることが明らかになってきた.これらの症状はしばしば定型的な伝染性紅斑の皮疹を伴わない上,aplastic crisis以外は小児よりも成人に高頻度に出現する.また他のウイルス性疾患と異なり,成人の抗体保有率は加齢とともに上昇し、成人の罹患頻度が高い.わが国の年度を隔てた流行においては,ゲノムタイプの異なるウイルスの流行が証明されており,最近10年間の宮城県下の流行動態の変化もこれと関係づけた理解が可能と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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