icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻5号

1991年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991 II 皮膚疾患の病態

炎症性皮膚疾患と好酸球

著者: 津田眞五1 宮里稔1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.62 - P.68

文献購入ページに移動
 好酸球増多を示す炎症性皮膚疾患を,好酸球のpro-inflammatomy cellとしての機能を中心に述べた.寄生虫症では,好酸球は標的(虫体,虫卵)の排除にeffector cellとして機能する.水疱性類天疱瘡においても,好酸球は自己の体組織(基底細胞)を異物と認識し,これを排除するeffector cellとして機能し水疱を形成すると考えられる.一方アトピー性皮膚炎では,末梢血中に活性型好酸球が認められるが,末梢血や皮膚組織中において排除すべき特定の標的は明確ではない.したがって気管支喘息における気道過敏性の亢進に関与するように、好酸球は既存の炎症をさらに増強するaccessory cellとして機能していると考えられる.今後このような観点から好酸球増多を伴う多くの炎症性皮膚疾患を分類し検討することは,病態の解明に重要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら