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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻5号

1991年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991 III 新しい検査法と診断法

白皮症の遺伝子診断

著者: 富田靖1 松永純1 田上八朗1

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.104 - P.108

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 チロシナーゼ陰性型白皮症の日本人患者に見いだされたチロシナーゼ遺伝子の二つの変異について,患者家族の遺伝子解析を行った.変異の一つはpoint mutationで,チロシナーゼ遺伝子のDNA塩基配列312番目の塩基グアニン(G)がアデニン(A)に置換したものである.この部位は正常遺伝子で制限酵素Hpa IIの認識部位であるが,患者遺伝子では制限酵素BstN Iの認識部位へと変わるので,この二つの酵素による制限酵素断片の鎖長多形の比較により,この変異の遺伝子診断が可能である.二つめの変異はitsertionmutationで,チロシナーゼ遺伝子のエクソン−2に一塩基つまりシトシン(C)の挿入があり,遺伝暗号のframe shiftを起こし,すぐにstop codonが出現するため,酵素蛋白の蛋白合成はエクソン−2で停止する.この変異部を認識する制限酵素がないので,変異前後の20個のヌクレオチドをプローベとして,dot blot hybridizationを行うことにより,この部位の変異についての遺伝子診断が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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