文献詳細
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991
III 新しい検査法と診断法
文献概要
有棘細胞癌および,その前癌状態であるBowen病のパラフィン包埋標本を材料として,単離法による顕微蛍光測光を施行し,核DNA量パターンと組織学的悪性度,再発との関係を,切片法による顕微蛍光測光を行い,核DNA量パターンと深部浸潤との関係を検討した.その結果,有棘細胞癌のgrade 4(Leverの組織学的分類),grade 1〜3,Bowen病の順にhigh ploidyなパターンを示すことがわかった.再発例においては再発後の腫瘍巣のほうが再発前病巣よりもpolyploidcell出現率(>4C,>6C)が高かった.また,皮下脂肪織より深い部分に存在する腫瘍巣のほうが,真皮上層までの浅い部分に存在する腫瘍巣よりも,high ploidyなパターンを示した.
掲載誌情報