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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻5号

1991年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991 IV 治療のトピックス

プロブコールによる眼瞼黄色腫の治療

著者: 小玉肇1

所属機関: 1高知医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.158 - P.162

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 高コレステロール血症の合併の有無を問わず,50例の眼瞼黄色腫患者にプロブコールを1日1,000mg投与したところ,40例(80%)に退縮効果を認めた.この効果は単に血清コレステロール値を低下させる作用のみならず,病変部への直接の作用によるものである.黄色腫病変部で形成される酸化LDLは,単球マクロファージの走化性因子となり,さらにマクロファージに取り込まれることにより泡沫細胞が形成される.プロブコールには抗酸化作用があり,リポ蛋白の酸化を抑制することにより泡沫細胞の形成が阻害される.さらに,本剤は泡沫細胞からのコレステロールの排除機序を促進することにより,泡沫細胞浸潤性病変の退縮を促進する.本剤は従来の抗脂血剤にない薬理作用により泡沫細胞浸潤性病変を退縮させることから,動脈粥状硬化症も退縮せしめる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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