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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991 IV 治療のトピックス
レチノイド長期投与の影響—骨・関節変化について
著者: 岡田奈津子1
所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.163 - P.166
文献購入ページに移動 エトレチナート長期内服加療を行った角化異常症の成人例3例の骨・関節変化につき単純骨X線検査にて検索し報告した.これら3症例はエトレチナートを3年から4年7カ月内服し総投与量は25.4gから36.4gであった.骨X線検査において,いずれの症例も骨棘の形成,靱帯の石灰化等の過骨症性変化を広範囲に認め,また,2例には長管骨の骨膜肥厚を認めた.踵骨に骨棘が高度にみられた1例を除いては自覚症状を全く認めず,また,全例において経過中検査値に異常を認めなかった.エトレチナート長期内服症例においては骨X線検査を定期的に施行し,骨・関節異常の有無を検索する必要があると考えられた.
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