文献詳細
文献概要
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991 IV 治療のトピックス
IL−2による悪性血管内皮細胞腫の治療
著者: 増澤幹男1
所属機関: 1北里研究所メディカルセンター病院皮膚科
ページ範囲:P.188 - P.191
文献購入ページに移動 悪性血管内皮細胞腫に対してのリコンビナント・インターロイキン−2療法の概要について述べた.投与法として1)局注法,2)動注法,3)筋注法,4)静注法とに分け,これらとの併用療法としてa)限局的外科的切除,b)養子免疫療法をあげた.悪性血管内皮細胞腫の臨床像は斑状病変,結節病変,潰瘍病変とに大別されるが,斑状病変に対しては著効する.一方,結節および潰瘍病変では病勢を抑制することは困難であるので,早期に病変部のみの小範囲外科的切除術の併用療法が必要である.この治療効果は組織学的に病変部の浮腫性,リンパ球の有無,腫瘍細胞の異型性と浸潤増殖形態に左右されると考えられる.投与法のうち局注法および動注法はその効果に加え同腫瘍が好発する高年齢者にとって,精神的かつ肉体的負担が少ない利点があり,他の療法に先立って積極的に実施されるべき治療法であると考える.
掲載誌情報