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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻6号

1991年05月発行

症例報告

クロミプラミンによる光線過敏型薬疹の1例

著者: 長谷川優子1 上出良一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.405 - P.409

文献概要

 塩酸クロミプラミン(アナフラニール®)による光線過敏型薬疹の1例を報告した.同剤内服開始40日後(総投与量約1,000mg),日光暴露により顔面,前頸部,項部,前腕伸側,手背に粟粒大紅色丘疹が多発,集簇,融合して生じ,前腕伸側,手背は浮腫状を呈した.組織像は真皮乳頭の毛細血管内皮細胞の腫大,破壊,消失と著明な浮腫.UVB(SE蛍光灯)ならびにガラスフィルターなしのUVA(BL蛍光灯)にて測定した最小紅斑量は48時間後で低下.光パッチテストでクロミプラミンとクロルプロマジンが陽性.患者はクロルプロマジンの内服歴はなく,分子構造が類似することよりクロミプラミンとの交差反応と思われた.発症機序として光アレルギー性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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