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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻7号

1991年06月発行

文献概要

原著

アトピー性皮膚炎患者の乾燥皮膚の表層角層の機能的解析

著者: 渡辺真理子1 田上八朗1 高橋元次2 堀井和泉2

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室 2資生堂基礎化学研究所

ページ範囲:P.457 - P.461

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 アトピー性皮膚炎患者の肉眼的病変部以外にみられる乾燥皮膚(atopic xe—rosis:AX)の角層機能の特殊性を明らかにするため,前腕屈側に肉眼的病変を持たないアトピー性皮膚炎患者と正常人の前腕屈側を使用し,角層の表層を剥離(ストリッピング)する前後の経表皮水分喪失量(TEWL)と角層水分含有量の測定,簡便ストリッピング法で採取した角層細胞の形態と角層細胞間の固着性,表層角層中の水溶性アミノ酸含有量,表層の角層細胞の錯角化細胞の割合,表層角層面積の測定,角層turnover時間,角層層数算定および病理組織学的な検索を行い比較検討した.その結果からAXの角層は構成する細胞のほとんどが核を持たず小さく,その層数は多いにもかかわらず,機能的に正常のそれに劣り,しかも角層細胞間の固着性が高いため,角層細胞はある程度の塊り(小さな鱗屑)をなして表面から剥離する傾向があることを見い出した.すなわち錯角化を起こさない程度の軽い炎症があり,角層のturnover時間が短縮していると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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